漢方ドットコム
文字の大きさ 小 大
漢方入門講座 教えて漢方QandA 症状別/漢方薬ガイド 生薬ガイド 漢方インタビュー ドクター相談室 病気について学ぶ 健康と医療


> トップ > シリーズ「病気」について学ぶ > 第1回「脳卒中」
第1回「脳卒中」
「脳卒中」でお悩みの方へ
私たちの周りには危険因子がいっぱい!
後遺症で苦しまれてはいませんか!?
 

脳卒中・高血圧症・動脈硬化・高脂血症・・・
これらの病気にお悩みの方にお役に立つ情報をご用意いたしました。

病気を知ることから予防、後遺症対策、漢方情報までを紹介します。

 
矢印 循環器病ってどんな病気?
矢印 脳卒中ってどんな病気?
矢印 後遺症とリハビリについて
矢印 脳卒中の危険因子について
矢印 脳卒中の前ぶれについて
矢印 脳卒中の予防10カ条
矢印 近年の脳卒中の治療法
矢印 脳卒中についてのQ&A

 

循環器病ってどんな病気?

循環器病は生活習慣と深くかかわっています。生活習慣病とは生活習慣が原因でおこる病気のことで、5大生活習慣病は以下のとおりです。
5大生活習慣病
1位
悪性新生物(がん)
2位
心疾患
3位
脳血管疾患
4位
糖尿病
5位
高血圧
 
循環器病とは心疾患と脳血管疾患
循環器病は2位の心疾患、3位の脳血管疾患の二つをまとめたものを指します。また日本の死因のトップ3も上記の1位~3位と同様です。そして、2位の心疾患と3位の脳血管疾患の死因を足すと、1位のがんとほぼ同数になります。突然死の60~70%は心臓病が原因、寝たきりの約30%は脳卒中が原因ともいわれています。このように循環器病は、命が助かったとしても後遺症が残ることが多く、日常生活に大きな支障をきたします。寝たきりになるケースも少なくありません。
日本人の死因
死亡数(総死亡数に占める割合)
循環器病の危険因子といわれる糖尿病、高血圧、高脂血症などは動脈硬化を誘発し、動脈硬化が心筋梗塞や脳血管疾患(脳卒中)などにつながります。また、ひとつの危険因子が発症すると、他の危険因子も誘発しやすくなります。いま現在、いずれかの危険因子に該当する人は、こまめな健康診断などで自分の症状を確認することをお勧めします。
循環器病は突然、発症するというイメージがありますが、生活習慣を改善するとその発症率や死亡率は大幅に減少します。後遺症が残ると、治療のためにたくさんの費用や労力が必要になります。個人的にも社会的にも計り知れない負担がかかってきます。危険因子をもっている人は生活習慣を改め、健康的な生活を心がけましょう。
ページトップへ

脳卒中ってどんな病気

 
脳卒中とはこんな病気
脳卒中とは、脳に酸素や栄養を送っている脳の血管が破けたり(脳内出血)、詰まったり(脳梗塞)して、血液が脳の先まで行かない状態や脳血管の一部が壊死する障害で、脳の働きに支障を生じることによって起こる脳血管障害です。急に手足の麻痺やしびれ,あるいは意識障害などの症状が出た状態をいいます。
昭和40年代から死亡率は下がってきましたが、現在も国内の死亡原因は、ガン、心臓病に次いで3位となっています。死亡率は下がってきましたが、患者数はむしろ増加しています。脳卒中で一度倒れると、後遺症が残り、生活が困難となりリハビリの重要性が高まってきております。

1980年頃までは、脳卒中は日本人の死亡原因の第1位でした。その後、少しずつ減少していき、2004年(平成16年)の統計では悪性新生物(がん)、心疾患に次いで第3位になっています。死亡総数は全体の12.5%で、12万9055人でした。 下図は、その内訳です。

脳血管疾患による死亡

脳血管疾患による死亡の割合

 
脳卒中の種類
医学の発達や知識の普及により、脳卒中による死亡者数やその罹患数は少しずつ減少してきましたが、ここ数年はあまり変化がみられないようです。そして、近年の食生活の変化にともない、1970年代半ばから脳梗塞の発症数が脳出血を上回るようになりました。けれども、医学技術の進歩によって死亡者数は確かに減少傾向にありますが、入退院を繰り返したり、また、脳卒中による後遺症が深刻な問題となっています。ではまず、脳卒中の種類や症状について説明しましょう。
脳出血
くも膜下出血
ラクナ梗塞
アテローム梗塞
心原性脳塞栓症
[ 脳出血 ]
脳内の細い動脈がもろくなり、破れて出血する。
症状:昏睡状態、半身麻痺など
[ くも膜下出血 ]
動脈瘤(脳動脈にできた瘤)が破れて、くも膜下腔(脳の表面)に出血する。
症状:頭痛、悪心、嘔吐、意識の混濁など。
[ ラクナ梗塞 ]
ラクナとは「小さな穴」という意味。脳の細い動脈が詰まって血流が止まり、その先の脳細胞が壊死する。
症状:意識がなくなることはない。朝晩の手足のしびれ、ろれつが回らないなど。
[ アテローム梗塞 ]
アテローム硬化(動脈硬化)によって血管の内腔が狭くなり、そこに血栓ができて詰まる。
症状:片マヒ、感覚障害、言語障害、意識障害など。合併症の危険性あり。
[ 心原性脳塞栓症 ]
不整脈などが原因で、心臓にできた血栓がはがれて、脳内の血管に流れ込んで詰まる。
症状:症状は急にあらわれ、意識の喪失、死に至る危険性も高い。心臓病患者は要注意。

 その他
一過性虚血発作 一時的に脳の血流が途絶える。脳梗塞の前駆症状。
症状:めまい、手足に力が入らない、一時的な記憶喪失、舌のもつれなど。少し休めば症状は緩和される。
高血圧性脳症 高血圧がひどくなり、脳の内部にむくみが起こる。
症状:頭痛、嘔吐、手足のけいれんなど。ひどくなると失明の危険性あり。

脳卒中の種類
それでは、脳卒中の種類の中でもほとんどを占める病症―脳梗塞、脳出血、くも膜下出血について詳しく説明しておきます。

●脳梗塞
動脈硬化などのために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内に出来た血の固まりが脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために起こるもので、その血管によって栄養を受けている部分の脳組織に、血液がいかなくなり破壊されて、脳の軟化を起こします。
突然、発症するもの、段階的に増悪するものなど、症状により様々ですが、多くの場合、前ぶれの症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、半身マヒや昏睡などになります。
 
●脳出血
脳の血管が破れて出血をおこすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身のマヒが起こります。脳内出血の誘因として疲労、精神不安、寒冷刺激などが多く、また激しい活動中にも起こることが多いものです。高血圧が慢性的に続いていると、細い血管の一部がふくらんでコブのようなものがいくつもでき、さらに高血圧の強い圧力が加わると、その一部が破裂して脳組織に広がり、出血となって脳障害を起こします。

●くも膜下出血
脳は、クモ膜という膜でおおわれていますが、くも膜と脳の表面との間にある小さな動脈にこぶ(動脈瘤)があると、血圧があがった時などに破れて出血(脳動脈瘤破裂)し、クモ膜下出血になります。頭痛がひどく悪心、嘔吐があり意識が混濁しますが、四肢の麻痺は通常おこりません 。
高齢者だけでなく、20代、30代と比較的に若い人にも起こります。極度のストレスや排便中、過度の仕事をしたときなど、急に血圧が変動したときに発症するケースが多く見られます。頭全体が割れるように激しい頭痛が走り、吐き気や嘔吐をともない、激しい場合は意識障害を起こします。
ただ、重症例以外は一時的で、元に戻るケースも多く、繰り返すようですと、再度、くも膜下出血を引き起こす可能性がありますので、専門医の診断を受けるべきです。
ページトップへ
脳卒中の後遺症とリハビリについて
アイコン 片マヒ
運動中枢や神経線維が障害されて片方の手足にマヒが起こる状態を「片マヒ」と呼びます。

左の運動中枢が障害されると右半身にマヒが起こり、その逆もあります。マヒの度合いは、手足のしびれやふるえといった軽いものから、まったく動けず痛みなどの感覚もなくなる重度のものまで様々です。

足のマヒでいえば、片マヒで寝たきりになる人はほとんどいません。適切な治療とリハビリを行えば片マヒの患者さんの80パーセント以上が、杖などを使って1人で歩けるようになります。軽い症状なら完全回復も可能です。

大切なのはあきらめずにリハビリに励むことです。そして、回復が望めない場合でも、現状を維持し、残された機能を生かすためのリハビリを続けることが大切です。
アイコン 言語障害
「言語障害」といっても、障害を受けた脳の場所によって症状が違ってきます。側頭葉(聴覚、嗅覚、味覚)に障害が現れると、言葉を聞いて理解する力が衰え、相手との会話が成り立たなくなります。情緒や感情の中枢、言葉を聞いて理解する感覚性言語中枢が障害を受けてしまうからです。

このような症状を「ウェルニッケ失語」といいます。 前頭葉(思考、判断、計算)に障害を受けますと、頭では言葉を理解できているのに、話そうとすると言葉にならなくなります。これは「ブローカー失語」といいまして、手足を動かす為の指令を出す運動中枢や、言葉を話す為の機能を調整する運動性言語中枢が障害を受けるからです。

その他にも、言葉を理解することも話すことも出来ない「全失語」、言葉を理解できても簡単な単語を忘れてしまう「健忘性失語」があります。

これらの失語症は、発病後6カ月を過ぎてから回復することもあります。失語症のリハビリは、病状や精神状態が安定してからはじめ、根気よく続けることが大切です。また、舌や喉などの発音に必要な筋肉にマヒがあると、ろれつが回らなくなり言葉がつっかえてしまう「マヒ性構音障害」がおこります。早期から顔や口、舌を動かす練習が必要となってきます。
アイコン 視覚障害、感覚障害

視覚障害とは、視野の片側半分が見えにくくなる「半盲」です。半盲は両目に起こり、慣れるまでは見えない部分にある壁などにぶつかったり、ものを書いたり読んだりすることが不自由になります。このような場合は、顔ごと上下左右に動かして周囲を確認し、欠けている視野を補います。

感覚障害とは、マヒのある手足がしびれたり、痛み、熱さや冷たさ、圧迫感などを感じにくくなることです。痛みを感じないため、包丁やハサミで指を切ったり、熱い湯に触ってやけどしても気づかないことがあります。特に台所や浴室では、このような事故が起こりやすいといえます。手足のしびれの後遺症としては、発病後何ヵ月後もたってから現れることがあります。

アイコン 失認、失行
右脳は左半身を支配するとともに、空間を意識したり、状況を判断したり、物の位置関係を把握したりする機能を持っています。そのため、右脳が傷害された場合、「失認」「失行」といった症状が現れます。
 
失認でよくみられるのは、「左半側空間失認」です。自分から見た左側半分の空間が認識できなくなり、左側にあるものを無視してしまいます。例えば、家に帰る途中、左側を認識できないために、左を曲がらなくてはいけなくても左側の道を認識できないので、いつまでも家に辿り着けません。失認が見られる場合、家族は患者さんが左側を認識できないということを念頭に入れて接することが大切です。
 
失行とは、ある特定の行為がうまく行えなくなるものをいいます。例えば、服の表裏や、上着とズボンの区別がつかなくなることです。その他にも様々な症状が日常生活の中で出てきますが、家族は患者さんに正しい行為を毎日繰り返し教えていくことです。
アイコン 情緒障害
手足のマヒや言語障害など、大きく取り上げられますが、やる気の低下や、気分の落ち込みといった情緒障害も後遺症の一つです。

患者さんにとって突然からだが思うように動かない事実は大変ショックであり、気分が暗くなったり、笑顔も見せなくなる状態(仰うつ状態)や感情の起伏が激しくなる、ささいなことで大笑いしたり、大泣きしたりする(情緒不安定)など心因性の症状が現れることがあります。

このような症状が長く続くと、リハビリに消極的になり、後遺症の回復を遅らせることにもなりかねません。家族や周囲の人の気づかいや励ましが何よりも必要です。


後遺症はリハビリでどの程度、回復するか
後遺症はどの程度回復するものなのか、一生このままの状態なのかなどは、家族や患者さんが最も心配することでしょう。なにしろ、適切なリハビリが大切です。
  一般的には、後遺症で最も多いのが手足の片マヒです。手のマヒが残るかどうかは、発作が起きてから1カ月目と3カ月目が目安とされます。発作当日から手が動かせるようであれば、完全に回復はします。1カ月以内に動くようであれば、不自由なく使える程度まで、3カ月目まででしたら、補助手として使える程度までの回復が望めます。
  一方、足のマヒの場合は、発作後1カ月目までに、寝た状態で足で自転車をこぐ動きができれば、正常の歩行ができるようになります。3カ月たっても立てひざができないと歩行ができる期待は低くなりますが、いずれもリハビリを根気よく続けていくことが大切となっていきます。
ページトップへ
脳卒中の危険因子について
アイコン 高血圧
心臓から押し出された血液が、動脈の内壁を押す力のことを血圧といいます。血圧とは心臓が全身に向かって送り出す血液によって血管の壁にかかる圧力ですが、これが高くなっている疾患が高血圧です。血圧が高くなると、血管が突然破れて脳出血を起こします。また、高血圧の状態が長く続くと、脳血管の動脈硬化が進み、血管が破れれば脳出血、詰まれば脳梗塞を起こす原因となります。心臓は、血液を送りだすときに収縮し(収縮期血圧)、血液が入ってくるときに拡張します(拡張期血圧)。以下はWHO(世界保健機関)が定める高血圧の基準値です。
イラスト:高血圧

収縮期血圧 → 160mmHg以上
拡張期血圧 →  95mmHg以上
軽い高血圧症ならば減塩などの食事療法、ウォーキングなどの有酸素運動で改善できますが、血圧が高すぎる場合は医師との相談の上、改善策を立てましょう。
アイコン 高脂血症
高脂血症とは、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールの処理能力が低下し、血液中のコレステロール濃度が高くなる状態です。以下は高脂血症と診断される基準値です。
血清総コレステロール  →  220mg/dl以上
血清トリグリセリド 150mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl未満

 

 



血清総
コレステロール
血中に含まれるすべてのコレステロールの総量。220mg/dl以下が正常値。
血清トリグリセリド
中性脂肪とも呼ばれる。HDLコレステロールを減少させ、過剰になると動脈硬化の原因に。
HDL
コレステロール
善玉コレステロールとも呼ばれる。余分なLDLコレステロールを肝臓へ戻す。
LDL
コレステロール
悪玉コレステロールとも呼ばれる。コレステロールを血管に送り出して、全身へ運ぶ。
アイコン 動脈硬化
一種の老化現象ですが、20代くらいからすでに始まり、危険因子が加われば加わるほど進んでいきます。動脈は心臓から全身に細かく分布していて、心臓から送り出せる血管を体のすみずみまで送り続けるパイプ役をしています。この動脈に硬化が起こると、動脈の壁が厚くなり、もろくなって血液の流れが悪くなり、止まってしまいます。
アイコン 糖尿病
糖尿病とは、食事からとった糖質(ブドウ糖)をうまくエネルギーとして活用できず、血液中の糖度が慢性的に高くなる状態です。40歳以上の10人に1人が糖尿病ともいわれています。以下は糖尿病と診断される基準値です。

イラスト:胃腸
空腹時血糖値  →  126mg/dl以上
ブドウ糖を飲んで2時間後 200mg/dl以上

初期は自覚症状がないまま進行するので、気づいたときには合併症を引き起こしている場合もあります。現在、糖尿病が原因で失明する人は年間3000人以上。カロリー過多などの生活習慣と遺伝が大きな要因です。
アイコン 喫煙
たばこの煙には4000種類の物質が含まれ、そのうち200種類が有害といわれているそうです。たばこは血圧を上昇させ、血液中の善玉コレステロールを破壊します。その結果、血管が細くなり、動脈硬化が進行します。


※たばこを吸わない人を1.0倍としたとき
 脳卒中・心臓病で死亡する危険性 → 1.7倍
(1980-1990年 循環器疾患基礎調査)
アイコン 肥満
太っている人は高血圧症や糖尿病にかかりやすくなります。肥満の程度を示す指標、BMI(ボディ・マス・インデックス)でときどき肥満度をチェックしましょう。


BMI値=体重(Kg)÷[身長(m)×身長(m)]



19.8~24.2は「正常範囲」
24.2~26.4は「過多体重」
26.4以上は「肥満」
(日本肥満学会より)
イラスト:肥満  
アイコン ストレス
ストレスは血管や血液の流れに負担や影響を及ぼします。免疫力を低下させ、血液中の免疫力をつかさどるリンパ球が減少して、血管に老廃物がたまり、血流が悪くなり、高血圧や動脈硬化になりやすく、脳卒中を起こす原因となります。

 脳はどうやって検査するの?
イラスト:検査 脳卒中になってしまったら、どのような検査をおこなうのでしょうか?頭痛、麻痺、意識障害などの症状があらわれますが、それだけでは脳梗塞なのか、脳出血なのか、それともくも膜下出血なのか、判断することができません。いろいろ調べていくと、目的や症状によって検査方法も異なることがわかります。

アイコン CT(コンピュータ断層撮影)
X線で脳を輪切りにした状態の断面図を映し出します。脳梗塞と脳出血とをはっきり区別できます。脳梗塞とわかると、MRIの検査を行います。
アイコン MRI(磁気共鳴画像)
磁気と電磁波を使って脳の断面図を画像化します。MRIは脳梗塞の検査方法としてはCTよりも優れていますが、高価なためCTほど普及していません。
アイコン 脳血管造影
血管の詰まりぐあいを調べる検査で、カテーテルを使用します。動脈瘤の様子を調べるには欠かせない検査です。
アイコン MRA(磁気共鳴血管画像)
脳血管造影のかわりに使われるようになりました。MRIで脳の血管だけを調べる方法で、からだへの負担がありません。
アイコン 超音波ドプラー
超音波を利用して脳への血流を調べる検査で、動脈硬化の状態がよくわかります。
アイコン SPECT、PET(単光子、陽電子放出コンピュータ断層撮影)
SPECTは脳の血流分布を画像化し、PETでは糖の利用率や酸素の消費量を画像化して測定します。
ページトップへ
脳卒中の前ぶれについて
アイコン 頭痛・はきけ
頭痛はいろんな原因で生じますが急に生じた頭痛で、特に"普段経験したことのない強い痛み"の場合には要注意です。頭痛が強い場合には頭痛に伴ってはきけ(嘔気・嘔吐)を伴う場合が多いです。
アイコン めまい
めまいには回転性めまい(景色がくるくる回って見える)、浮遊感(船に乗ったようにゆらゆらする)などがあります。急に生じためまいでははきけ(嘔気・嘔吐)を伴うことが多いです。めまいの原因にはいろいろあり、脳卒中が原因の場合は一部です。しかし、急に生じためまいでは脳卒中が原因である可能性があります。特に、手足のしびれや脱力、物が二重に見えるなどの症状を伴っている場合にはめまいの症状が軽微でも要注意です。
アイコン 耳鳴り
年齢とともに耳鳴りを経験される患者さんが多くなります。セミの鳴き声のように小さな音である耳鳴りは加齢現象で生じる場合が多いようです。脈拍に一致してザクザクあるいはザーザーという大きな耳鳴りが生じた場合には動静脈瘻という病気が原因である場合があります。脳の血管病変の項を見てください。
アイコン 意識を失う
急に目の前が真っ暗になり、気をうしなった場合には脳と心臓の両方に原因がある可能性があります。脳に原因がある場合では頚部や頭蓋内の太い血管が細くなったための脳貧血で生じる場合があります。心臓に原因がある場合には不整脈(脈の乱れ)にて生じる場合があります。
アイコン しびれ・脱力
顔とか右あるいは左の片側の手足の感覚がなくなる(しびれ)、右あるいは左の片側の手足の力がぬけてしまう(脱力、まひ)が急に出現した場合には脳卒中発作を第一に考える必要があります。例えば、無意識に手にもったものを落としてしまうことや上手に歩けないことで脱力やまひに気付くことがよくあります。
アイコン しゃべれない

言語障害には次の2通りがあります。

失語症:

大脳の言語中枢の障害によるもので、話し掛けられても理解できない(感覚性失語)場合と思ったことを言えない(運動性失語)場合、さらにどちらもできない場合があります。症状の出方は障害の広がりによって違ってきます。

構語障害:

舌や口の周りの筋肉の麻痺によってろれつが回らなくなることです。言葉の内容や理解力は障害されません。

アイコン 物が二つに見える
片目ずつではちゃんと見えるが、両目で見るとものがだぶって二つに見えるということが急に生じた場合には、眼科的な病気よりは脳卒中など脳に原因がある場合が多いようです。
アイコン 物が見えにくい
視野(視界)の半分が急に見えにくくなる(視野障害)や急に片側の目が真っ暗になり見えなくなる(黒内障)場合には脳卒中が原因である場合があります。視野障害の場合は大脳(後頭葉)の視覚中枢の障害、黒内障の場合には大脳を栄養する内頚動脈の枝である眼動脈の血流障害が原因で生じます。
アイコン 物忘れがひどい、痴呆
痴呆は治療できないものが多いのが実情です。しかし、脳血管病変や脳卒中による痴呆の中には適切な治療で治る痴呆があります。最近(特に数時間以内)の出来事など新しいことが覚えられなくなり、同じことを何度も繰り返し聞くなどの物忘れが急に生じた場合、すなわち、"急にぼけた"場合には脳卒中が原因であることがあります。


脳卒中と疑わしき症状が出たときは、早めに専門医の診断を受けるべきです。
脳梗塞の前ぶれの特徴としては、片方の手が動かない、足がもつれる、片方の目が見えなくなるといった症状が数時間から1日間近く見られますが、自然と消えていくことがあります。これは「一過性脳虚血発症」の典型的な特徴で、この発作がある多くは5年以内に3分の1くらいの人が脳梗塞を起こす可能性があります。
脳出血はほとんど前ぶれはありませんが、血液の高い人は突然、倒れてしまって、命を失ったり、寝たきりになってしまいます。高血圧こそ最大の前ぶれであり、原因であると思ってください。
くも膜下出血も突然起こります。物が二重に見えたり、急に激しい頭痛がして、数分から数時間でおさまるという一過性で消えてしまうだけに、繰り返すようでしたら専門医の診断を受けるべきです。
ページトップへ
脳卒中の「予防10ヵ条」
1 自分の血圧を知る
何よりもまず、血圧です。最近では、病院以外のさまざまな施設でも自動の血圧測定器を見かけます。また個人で購入する人も増えているようです。日頃から意識して血圧をチェックし、自身の平均血圧を把握するよう心がけましょう。それが基礎疾患の管理につながります。
2 急激な温度変化を避ける
イラスト:振るえ

寒い時期の発症率は、暑い時期の1.5倍になります。暖かい場所から急激に寒いところへ移動すると、心臓の負担になるか、または血圧が急上昇し脳卒中を引き起こす場合があるからです。冬のあいだは廊下や夜間のトイレ、お風呂の脱衣所などはできるだけ小さな暖房器具などで暖かくするようにしましょう。

3 ストレスをため込まない
いやな物事に直面したとき、人間は本能的に逃げるか、もしくは戦うかを判断します。そのとき脈拍が速くなり、血管が収縮して血圧が上昇します。精神的緊張や不安が持続すると、この一連の反応も慢性化し、循環器に負担をかけます。入浴や音楽鑑賞など、自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。また次のような人は要注意です。(1) 優等生タイプ (2) 落ち込みタイプ (3) 無気力、無関心タイプ
4 過労・睡眠不足を避ける
2002年度の統計(厚生労働省)によると、過労により脳疾患や心臓疾患を起こした人は、死亡者を含め合計317人(前年143人)で過去最高となったようです。そのなかには高血圧症などの既往症のある人が多いようです。肉体的過労やストレスからくる心労は、自分でうまくコントロールする必要があるでしょう。
5 トイレに注意
トイレは温度差にも注意が必要ですが、排便時の「りきみ」で血圧が上昇します。特にクモ膜下出血の20%は用便中に起きています。トイレの工夫として、
(1)暖かい服装で行く (2)トイレを暖かくする (3)りきみ過ぎない (4)外から開けられる外開きドア (5)洋式便座 (6)手すりを取り付ける (7)非常用ブザーを取り付ける
6 バランスの良い食生活を
イラスト:減塩 最も注意すべきは塩分です。塩分は腎臓から排泄されますが、過剰に摂取すると血液中のナトリウムの濃度が上がります。するとその濃度を下げようと血液中に水分が増えて血液量が多くなり、血圧が高くなります。現在、わたしたちは1日に約15gの食塩をとっていますが、実際は10g程度、高血圧の人は7gが理想です。以下を参考にしてください。
こいくち醤油(大さじ1) 2.6g 塩鮭(一切れ) 1.1g
うすくち醤油(大さじ1) 2.9g 梅干(1個) 3.3g
みそ(大さじ1) 2.0g カップめん(一人前) 5.0g
7 お酒は「ほどほど」に
お酒は適度な量であれば血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。逆に飲みすぎると動脈硬化や高血圧、糖尿病などさまざまな病気を誘発します。アルコールの適量は約20gで、種類で換算すると以下のようになります。
ビール 中ビン1本(500ml) ワイン グラス2杯(一杯120ml)
日本酒 1合(180ml) 焼酎 1.2合(90ml)
8 タバコは「百害あって一利なし」
タバコは血圧上昇、HDLコレステロールの減少、動脈硬化の促進などの原因となります。喫煙者はタバコを吸わない人に比べて約1.5倍、循環器病やがんになったり、それが原因で死亡する危険性が高くなります。吸いたくなったら
(1)深呼吸 (2)お茶・紅茶を飲む
(3)歯を磨く (4)こまめに身体を動かす
など試してみましょう。

イラスト:禁煙
9 適度な運動をする
運動は血糖値や血圧を下げます。まずはウォーキングからはじめてみてはどうでしょう。少し息がはずむ状態をしばらく続けると体脂肪も減りますが、LDLコレステロールも減少し、HDLコレステロールが増加します。歩数が増えるほどHDLコレステロールは増加し、動脈硬化の予防につながります。
10 健康診断を利用
イラスト:診断 動脈硬化、またその危険因子となる高血圧、高脂血症、糖尿病などは自覚症状がないまま進行します。気づいたときには手遅れという状況も考えられます。定期的に検診を受け、まずその結果に関心をもちましょう。「異常なし」の結果でも、数値が境界域に近かったりする場合は早めに生活習慣の改善に取り掛かりましょう。
 
脳卒中と漢方について
高血圧、高脂血症、それに肥満などは、動脈硬化につながる可能性が大です。それが最終的に脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの脳卒中となっていくのです。こうした症状を日常生活で予防することも大切ですが、忙しい社会生活の中で塩分の多い外食や過労、睡眠不足、ストレス、タバコ、酒などなかなかやめれないものです。

最近、脳卒中の予防や改善のために漢方薬を取り入れている人が増えているようです。その理由は、漢方薬が「血のめぐり」を良くすると同時に、免疫力を高めて、動脈硬化や高血圧、高脂血症など脳卒中の原因を予防、改善することからなのです。
 
ページトップへ
近年の脳卒中の治療法
 脳梗塞の治療
1 緊急治療
脳梗塞は高血圧が主な原因です。脳梗塞で倒れた場合、まず血圧降下が先決と思われるかもしれませんが、通常それはしません。脳梗塞は血管が詰まって脳への血流が不足しているので、高い血圧を利用して障害のない脳にたくさん血液を送りこみます。ただし、心臓病などある場合は逆に血圧を下げなければいけません。
2 抗脳浮腫薬
急性期には梗塞が起こった周辺に水分がたまり、「脳浮腫」と呼ばれるむくみが生じます。この圧力が脳を破壊し、後遺症につながります。脳浮腫を軽減させる「抗脳浮腫薬」には「グリセロール」や「マンニトール」があります。症状の程度によって1日数回、点滴投与します。脳浮腫は発作後数時間から起こりはじめ、3~4日でピークに達するので、早期の治療が肝心です。 イラスト:看護師
3 血栓溶解療法
脳血管にできた血栓が血流を止めてしまった場合、血栓溶解療法を用いて血管を再開通させます。よく使用される「ウロキナーゼ」や、「t-PA」という新薬もあります。「t-PA」はアメリカやヨーロッパで脳梗塞の治療薬として使用され、特に発症後3時間以内の患者さんに効果がみられるようです。
4 血管内治療
イラスト:医師 血栓溶解療法のような点滴投与ではなく、血栓溶解薬を詰まった部分に直接注入する方法です。足のつけ根の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。そして脳動脈の血栓に注入します。点滴投与の治療法より格段に再開通率が高いといわれていますが、発症後6時間以内でないと高い効果は望めません。
5 脳保護薬
2001年、日本で脳保護薬という新しいタイプの薬「エダラボン」が脳梗塞の治療薬として世界で初めて認可されました。血栓を溶かすのではなく、予後の後遺症を軽減します。脳梗塞の脳内で発生する活性酸素を除去して脳障害を防ぎ、結果的に後遺症が軽減されます。ただし副作用も確認されているので注意が必要です。
6 抗血小板薬
再発予防のための治療薬です。血栓をつくりやくする血小板のはたらきを抑え、血液をかたまりにくくします。急性期に使われるのは「カタクロット」、慢性期には「アスピリン」や「塩酸チクロピジン」という薬が使われます。通常は強力な「塩酸チクロピジン」の方がよく使われます。 イラスト:薬
7 抗凝固薬
この薬も血栓抑制作用がありますが、「心原性脳塞栓症」によく使用されます。急性期には「へパリン」や「アルガトロバン」という点滴薬がよく使われます。これらは血管が塞がるのを防いだり、血栓の形成を抑制します。慢性期には「ワーファリン」という内服薬が使われます。


 脳出血の治療
1 脳出血の治療
イラスト:治療 出血した血は固まって血腫をつくり、その圧力で脳細胞が死んでしまうことがあります。これまで血腫除去手術の主流は頭蓋骨をはずす方法でしたが、最近は内視鏡手術が普及しています。これは頭に10円玉程度の穴を開け、そこから硬性鏡を入れて患部を手術する方法で、患者の体への負担が軽い方法です。
2 くも膜下出血の治療
治療法には主に2種類あります。1つは、頭蓋骨を切り開き、破裂した脳動脈瘤の根元を金属製のクリップではさみ、出血を止める開頭手術です。もう一方が、カテーテルを入れる血管内治療です。ヨーロッパでは、開頭手術よりも血管内治療の方が治療成績がよいという報告もあるようです。
ページトップへ
脳卒中についてのQ&A
Q1 脳卒中になる前ぶれはありますか?
A1 脳卒中が発作する前ぶれとしまして、以下の状態が現れます。一時的にみられ、その後はもとに戻ってしまう場合は、本格的な脳卒中の前ぶれの発作であることが多いので、注意が必要です。思いあたる方は早急にご相談くださるようお勧めいたします。
 片方の手足がしびれる。
 急に手足の力が抜け、持っているものをポロリと落とす。
 自分では気付いていないが、他の人から片方の足を引きずっていると
  いわれる。
 片側にあるものに気がつかないため、肩などが物にぶつかってしまう。
 片方の目にカーテンがかかったように一時的に見えなくなる。
 ものが二重にみえる。
 相手の言うことをよく理解できない。思っている言葉が出てこない。
 ろれつが回らない。
 思うように字などを書きにくい。
 食べ物、飲み物をうまく飲めない。またはむせる。
 めまいがしてまっすぐ歩けない。力はあるのに立てない、歩けない。

Q2 脳卒中を引き起こしやすい病気はどんなものがありますか?
A2 危険因子と言われる脳卒中を起こしやすい病態としては、心疾患、高血圧、糖尿病、高脂肪血症などが知られています。

Q3 脳卒中の時、どのような検査をしますか?
A3 診察して脳卒中が疑われる場合は、X線CTや、MRIと呼ばれる検査を行い、その病気の性質と場所を確認します。この他意識障害を起こす他の疾患を区別するために血液検査が必要です。

Q4 脳卒中になった後、どのような予防法が必要ですか?
A4 脳出血ですと、高血圧が原因となることがほとんどであり、血圧を正常に下げる事が必要となります。食事で塩分制限をしたり降圧薬を服用したりします。
脳梗塞の場合ですと、高血圧が関与されるとされ、脳出血と同じく血圧を下げる事が重要です。糖尿病、肥満も日常の食生活を見直すことが大変重要とされております。また、喫煙は止める努力が必要です。

Q5 脳卒中にならないための日常の予防法は何ですか?
A5 予防法としては食生活の見直しが大切です。塩分を取らない、動物性の脂肪を避けること、間食をしないことです。野菜、果物、魚介類を多く摂取し、水分―活性水素水(悪玉の活性酸素を中和する)や、お茶を摂る事です。運動も大切であり、1日1万歩歩く事を心がけるようにしましょう。

Q6 脳卒中後のリハビリはいつ頃から始めるのが良いですか?
A6 できるだけ、速やかにリハビリを行う方が良いとされております。急性期はベットサイドで開始しますが、リハビリは訓練室だけで行うものではありません。

Q7 脳卒中のリハビリはどのように行われますか?
A7 脳卒中になった直後からリハビリは開始されます。急性期に行われる急性期リハビリ(主としてベッドサイド)ではじまり、機能障害に対して専門のリハビリテーション病院で行われます。自宅に退院してからは地域のリハビリテーションセンターで機能維持が行われます。

Q8 リハビリはいつまで必要ですか?
A8 自宅で生活可能となれば、病院での集中的なリハビリは基本的には必要ありません。自宅で機能低下を起こさないように維持的・予防的にずっと必要となってきます。デイサービスなどで他社との交流を図りながら心身ともに常に運動をしてゆきましょう。

Q9 失語症にはどのような種類があり、いつごろから訓練が必要ですか?
A9 障害とされる場所により症状は変ってきます。以下にまとめました。

ブローカ失語症: 頭の中では理解しているが、話せない。
ウェルニッケ失語症: 会話は出来るが、相手の言葉を理解できず、会話が成立しない。
健忘性失語症: 固有名詞を忘れて言葉にできない状態をいう。
全失語症: 全く話せない状態をいう

失語症の訓練は、一般的に発症後3~6ヵ月までは改善が大きく、特に最初の1ヵ月の変化は大きいとされています。言葉の回復と言う点では、個人差にもよりますが、聴いて理解する方が回復しやすいといわれております。

Q10 脳卒中のリハビリは実際にどのようにすればいいのですか?
A10 脳卒中のリハビリは発病と同時に始まります。つまり、麻痺した手足を動かしてやったり、体位を変えてやることが重要なのです。御家族並びに医師、看護婦、リハビリスタッフ(理学、作業、言語療法士)、ソーシャルワーカー(医療相談員)などが密接に連携し合い、患者さんの状態を考慮して計画をたてます。
臥床期: 発病直後のリハビリをベッド上で始めます。筋肉の萎縮、関節の変形、拘縮や、   
床ずれなどを予防するために、手足の関節を痛みが起こらない範囲で動かします。自力で動かせる部分は積極的に動かします。
離床期: ベッドを徐々に挙上させて座位まで持っていきます。座位に慣れると、次は車椅子乗車となります。麻痺のない方の手足を使ってベッドに座り、立ち上がれるようにします。次の段階はリハビリ室で行います。
歩行期:

平行棒内で立体バランスが確立したら平行棒内歩行となります。その後は、杖つき歩行、独立歩行へと進みます。この間同時に、手の機能訓練や日常生活動作(食事、更衣、排泄など)の訓練も行います。

言語障害のある患者さんには言語療法士が、絵や文字のカードを用いて、訓練します。
社会復帰にむけて、耐久力訓練、応用動作の訓練も行います。
漢方ドットコムとは?
ページトップへ
漢方のことが手にとるように分かる!漢方が好きになる!
症状・病気別/漢方薬ガイド、漢方薬によく使われる生薬ガイドから最新の漢方情報、
アメリカ漢方の最新情報まで--LLP漢方研究有識者会が会員及び一般の方々に
漢方と健康の情報を提供する総合ポータルサイトです。
運営組織 サイトマップ (C) 漢方ドットコム All rights reserved.